
不動産投資のノウハウを近日中に実施する予定
日本より一足先にそうした問題に直面し、法律の規制を受けてきた欧米企業は、不動産取引に当たっては土地の素性を吟味、精査するのが当たり前になっていた。
そこで当然のこととして土地の履歴を調べ、どうも怪しいぞと睨んだ物件については、ボーリング調査や土壌分析を行った。
そうしたら、とんでもない土壌汚染が次々と発覚したというわけだ。
土壌汚染は、健康被害への不安もさることながら、マイホームの資産価値の下落にもつながるやっかいな問題だ。
一昨年、関西のある人規模工場の跡地再開発で土壌汚染が見つかった。
事業、モ体が複数で、同じ跡地内にはすでに大規模マンションが建設され、多くの世帯が住んでいた。
当然、このマンションの管理組合は、「同じ工場跡地なのだから、このマンションの下や周囲も汚染されていないはずがない。
徹底した調査と対応を求める」と、そのマンションの開発、千体となった事業」上へ要望を突きつけた。
しかしなかには、「騒ぐと資産価値が下がってマンションが売れなくなる」と、そうした動きに反対する入居者もいたという。
ただでさえ相場が下落しているのにこれ以上資産価値が下がったら買い替えできなくなる、というわけだ。
マンションに欠陥が見つかり、管理組合で対応を協議しようとすると、「売れなくなると困るからあまり騒ぎ立てないでくれ」と迷惑がる人が必ず現れるが、あれと一緒である。
そういう意識から解放されない限り、この国の住宅事情はなかなかよくならないだろう。
東京に隣接する某県内のある中堅都市に大手の化学工場があった。
その工場敷地内に、「高濃度の汚染物質を素掘りで大量に廃棄したことがある」と定年退職した元従業員の口から直接開いたことがある。
「当時はそれが当たり前だった」というのだから、おそらくどこのどんな業種の一工場でも似たようなことをやっていたのではないか。
地表から数メートル下には地下水がきている可能性がある。
その場合、土壌汚染というのは、その工場跡地だけの問題ではすまない恐れがある。
その周辺一帯も汚染されているかもしれない。
そうでなくてもそのような土壌汚染が発覚すれば、工場跡地周辺によくない風評が立つのは避けられない。
土壌汚染と言われる土地は、ガソリンスタンドやクリーニング上場などの跡地も含めると、いまや全国で約四四万カ所にものほるといわれている。
うち上場跡地だけで三〇万カ所に達するという。
過当競争に敗れ、閉店に追い込まれるガソリンスタンドが相次いでいるが、そのような跡地も汚染されていると考えられるのだ。
立地の最重要の要件と言えば、沿線やエリアの人気だろう。
その点、いまや首都圏では都心回帰が一大ブームになっている。
地価下落の恩恵で、資金的に余裕のある人であれば、都心部にマイホームを持つことが可能になっているからだ。
対照的にH市のような郊外のニュータウンの没落が顕著だ。
「職住接近」の実現であり、それを大規模・超高層のマンション供給が後押ししている。
都心、湾岸部への大規模・超高層マンションの建設計画は、今後も目白押しである。
二〇〇五年までに東京都区部で計画されている二〇階建て以上の高層マンションは一三〇棟以上、約五万戸にものぼる。
都区部の高層マンションだけでこれである。
都心回帰がこれだけ一大潮流になると、少なくとも当初のような希少価値は、もはやない。
一番最初にウオーターフロントに出現した超高層マンションは、そのような湾岸部のハイライフを夢見る人々の羨望の的だったが、いまでは名前を開くことも滅多になくなった。
いまのペースで大量供給が続けば、眼前に開けていた一人パノラマに、一棟また一棟と巨大マンションが出現し、「私だけのもの」であったはずの希少価値も素晴らしい眺望も次第に失われるだろう。
そうなれば、当然、物件問の競争は俄烈になる。
これからは大規模・超高層を掲げるだけでは売れなくなるし、先々貸し手を探すのに苦労するかもしれない。
価格競争の弊害なのだろう、性能に疑問符のつく物件も出てきているようだ。
「念願の大規模・超高層マンションを都心に買ったのに隣りの部屋のイビキが聞こえる。
せっかくの夜景も台無し。
がっかりした」という話を最近耳にした。
とにかく巨大な建築物である。
維持管理のためのコスト負担などは二〇年、二〇年のスパンで見たとき、当初の予定通りにいくのだろうか、とも思ってしまう。
都心物件の購入者は、団塊の世代より上の層やDINKS、団塊ジュニアなどが多い。
そのなかには潤沢な資金を背景に、最初から投資目的や将来の賃貸運用をめざして購入している人も少なくない。
ほんとうのお金持ちは、いまだに都心にほど近い高級住宅地に一軒家をかまえたり、ゆったりした敷地の低層の高級マンションに住んでいたりする。
そういう富裕層にとって都心物件は、ハナから投資だったり仮住まいだったりする。
何しろ遠く北海道や九州の人も買っているそうだから、実需ばかりでないのは明らかである。
たとえば東京の大学に通う息子や娘に住まわせ、彼らが卒業して帰郷後は賃貸に回すと考えている人もいるようだ。
都心では局地的に地価の下げ幅が縮小、横ばい、上昇に転じている。
ワンルームマンション投資が活発なのを見ても、都心の一不動産は局地的、局物件的、局層的にバブル的な要素があるのかもしれない。
何でもそうだが、人気やブームというのはそのときのものだ。
郊外のニュータウンだって、つい十数年前までは徹夜で抽選に並ぶほどの猛烈な人気を博していた。
ところがいまやT市などは高齢者たちの住まいになっている。
いまの世の中、潮目がどこでどう変わるかまったくわからない。
K首相の熱狂的なブームだってすぐにしぼんだ。
都心回帰と言われるこの一大潮流にしても、それが永遠に続くなどとは思わない方がいい。
実際、二〇〇一年秋以来、風向きが変わっている。
何よりいまのペースで都心、湾岸部にマンションの大量供給を続けて果たして買い手はいるのだろうか。
いくら都心でマンションが買えるようになったからといっても、新築なら四五〇〇万円程度はする。
大規模・超高層になれば通常五〇〇〇万~六〇〇〇万円からだ。
三〇〇〇万円台のワンルームから億ションまで混在しているケースが多いが、もちろん中心となる価格帯は億に近い方だ。
三〇〇〇万円台のワンルームを独身OLなどが購入しているが、億ション購入層などとは所得格差がありすぎて、先々の維持管理を考えると、いざというとき、費用の負担能力の面で、かなり心配である。
おかしな夢やステータスに憧れ、無理して「都心」を買い求め、人生をおかしくする人がいなければいいがと思わずにはいられない。
いずれにしろ大規模・超高層であれば、Gタワーのような定期借地権を利用した四〇〇〇万円台の格安物件でもない限り、購入可能な層はそうそういるわけではない。
一掘りの富裕層やその子弟(団塊親子)、バブル以前にマイホームを購入し、なんとか買い替えができる団塊の世代より上の層に、その大半は限られるはずだl。
実際、最近の大規模・超高層マンションの購入者は、国分の一が五五歳、六〇歳以上である。
二次取得者のうち六〇歳以上は、過去四年で二倍に増えている(住宅金融公庫、二〇〇一年度調査)。
だからこそ住宅取得資金贈与の非課税枠拡充を画策し、団塊ジュニアのマイホーム取得を刺激しょうと目論んでいるのだろうが、それにしたって限度があるだろう。
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